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Mamiya 6 Automat  蛇腹カメラ

ファインダーがそれなりにええ加減なので完全シンメトリックは難しい。
Mamiya 6 Automat  蛇腹カメラ_d0207730_6415370.jpg
僕の大好きなカメラの修理屋さんが直してくれたマミヤ6オートマット。
カメラ屋のプライスタグには当時では信じられない安値がついてて、追記にレンズカビ、しかし美品、とのことでめでたくうちにやってきた。だって前から触りたかったし使いたかったし、写りが見たかったもん。そのココロは後述。
この個体はウソ偽りの無いカビレンズでしばらく触って眺めるだけだったが、そのレンズをどないかならんかなぁと診てもらったときに、素早いチェックの後「残念なお知らせが・・・」と蛇腹のコーナーに穴があることを教えてくれた。あぁ、もうホントにジャンクのジャンクだったんだ、、、と思ってたら「この状態で(畳まない)持って帰れます?」と。何のことだかポカンとした顔をしてたんだろう、すぐに察知して「このまま持って帰れるなら応急処置をします、たぶんいけると思います、数日触らないでくださいね」と言って目の前で直してくれた。 僕はその一部始終を見てて、あぁ、この人は僕の神さまかもしれない。とちょっと本気でそー思った。

そのマミヤ6オートマットの試写の時に、手持ちの蛇腹カメラを全部持ってって対決させてみた。並べてみるとかなりニッチ。各メーカーのフラッグシップ機が集結してるんだ。たぶん全然訳解らないかもしれないけど。
Mamiya 6 Automat  蛇腹カメラ_d0207730_6195476.jpg
左はコニカ パール3(1955 昭和30年)、真ん中が今回の主役マミヤ6オートマット(1955 昭和30年)、そして右がキングオブ蛇腹カメラのツァイス イコンタ スーパーシックス533/16(1952-諸説あり)。この3機種に共通している点は、蛇腹カメラなのに全て自動巻止が備わっていること(赤窓が無いのだ)。僕の好みなんだろう、蛇腹街道はそれなりに通ってきた結果手元に残った機種が赤窓無しの機種ばかり。パール2もチビリそうになるほど写りには感動しながらもパール3なら赤窓を見なくてもいいんだ、と思うと、探さずにはいられなかった。めでたく発見・保護し、階級をあげた。ツァイスもスーパーシックスのシリーズを何台か経て、テッサーの2.8があるならそれの写りが見たい、触りたい、ということでとうとうBXを手に入れた。そして、国内外の蛇腹カメラの頂点を吟味していると絶対外せないのが国産マミヤ6、それもオートマットじゃないとイヤ。

Mamiya 6 Automat  蛇腹カメラ_d0207730_743138.jpg
カメラ好きじゃなくても撮影する人が一番長い間見ている箇所がファインダーじゃなくて軍幹部だろう。だからカメラの軍幹部はデザイン的に良くなければいけないし、仕上げも上質でなければ愛でれない、外装ではフロント部分と同じくらい大事な箇所なんだ。どの機種もメーカーの色が出ててすぐにそれとわかる、個性溢れるカメラ達。これを撮影する為に敬意を表してわざわざ重たいのに、同世代の35mmの王様、ライカM3を起用して、更にわざわざポジで撮っている。アホや。

マミヤ6オートマットがすごいのは、巻上動作と同時に「シャッターのチャージ」をしてしまうことだ。これは6x6のスプリングカメラではマミヤしか成しえていない(他のフォーマットは知らん、僕は66がすきなのだ。パールは645だが、ヘキサノンが好きなので勝手な例外である)

ツァイスは早々に自動巻止を採用していたが(しかし戦前型は11枚撮りという贅沢すぎるカメラだった)セルフコッキングまでは採用できなかった。それを国産のカメラが一回の巻上動作であとはシャッターを押すだけという快挙をやってのけたのだ。メカニズム的には天下のツァイスを越えたマミヤ6。これを触わらずして死ねるか、ということである。死んどけ、と言うな。 でも当時は高かった。完全調子のソレは「あ、ほなお持ち帰りしよかー」と気安く言える値段ではなかった。

Mamiya 6 Automat  蛇腹カメラ_d0207730_714167.jpg
線路をシンメトリックに撮ったら、やはり電車も撮っておこう。電車といえば駅撮りじゃない場合はほとんどの場合走ってはる状態なので、マミヤ6で流し撮りっ!ビミョーだが良しとしよう。初撮り3コマ目なんだからマケといてくれ。


Mamiya 6 Automat  蛇腹カメラ_d0207730_729814.jpg
モノクロもかなり健闘していたが、カラーはまた別の意味で非常に味がある良い写り。ただしシャッターを押したあとの共鳴感触というのだろうか、少しボディに反響する安っぽぃとは言わないがあの軽い音が特徴的。ボディの目方がすごく軽いのでそれも影響しているんだろうか。こと、フィーリングで言えばツァイスの圧勝であるが、パールもマミヤもツァイス比で圧倒的に軽いというメリットがでかいので、もし僕のように数台も持ってて選べるようなバカな環境にいる場合はついつい軽い方をチョイスしてしまうという具合になってしまう。なんでイコンタスーパーを買ったんだろう。。。かわいそうに、ごめんね...っておもってしまうようになると重症。


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このトワイライトタイムの空が大好き。 けっこういいトーンが出てて驚く、優しいトーンだ。オリンパスってやっぱええなぁ。そう、マミヤ6についてるレンズは泣く子も黙るオリンパス製ズイコー。漢字で書くと確か「瑞光」、いや~、やっぱし日本人っていいね。瑞雲たなびく光景を瑞光で撮る、なーんてもう撮影するにも和装してシャッター切る度に「では一句...金色(こんじき)のぉ~・・・」とかせなアカンよな気持ちになってしまうネーミング。ネーミングで言えば今は無きミノルタの社名とかも由来は有名でけっこう面白い。カメラ名とかだともっといっぱいある。安直でどうしようもなくアホなのも更にいっぱいあるけど。

さてそのズイコーレンズの威力を感じつつ、カビが無かったらもっと・・・と、思ってしまうのはカメラマンの性。でも、このカメラには修理屋さんの優しさが入ってるから、僕は違うマミヤを探すことは無い。同時に撮ったモノクロネガの結果はもうすでに修理屋さんとあーだこーだ言いながら話のネタにして楽しんだ。ポジは時間がかかるからよーやくお披露目。 ありがとう、すごくいい感じのカメラとして復活しました!
by shonencamera | 2010-12-02 08:00 | スプリングカメラ | Comments(13)
Commented by かっぱ at 2010-12-02 13:59 x
なぜか僕もMAMIYA-6もってます
Commented by shonencamera at 2010-12-02 15:07
へーそうなんだ、何型なんだろう。
蛇腹ホットブラザーズの仲間入りですね、いらっさいまし~。
Commented by full_break at 2016-06-16 22:59
早とちりしまして
一度こちらにオートマット購入しましたと。書き込んでしまいましたが間違っていましたので削除させていただきました。

セルフコッキングではないのでオートマットではなかったです。申し訳ありませんでした。
オートマットではなかったけれど撮影が楽しみです。

元々オリンパス6を購入しようと来店したのですがすぐ近くにマミヤ6もあったので安かったし、マミヤに変更しました。


お写真シブイです。
よく乗る電車なのでどこの踏み切りかわかってしまいました。流し撮りのほうもカッコいい!
あの場所がこう撮れるんですか!

お見事ですね。
Commented by shonencamera at 2016-06-16 23:37
ちょうどタイミングよく全て読んでしまいまして、コメント返そうかと思ったらブランニューになっておりましたw。

オートマットでなくともマミヤシックスは操作も楽しいカメラですし、完調のレンズではもっとシャープで良い写りをしますので楽しみですね。オリンパスシックスは瑞光レンズが白内障になっている固体が多く、高価なものは良い状態なんだと思います。

宝塚線お乗りなのでしたらどこかですれ違っているかもしれませんね。大阪とはいえ川沿いの辺鄙なちょっとのんびりしたトコですが写真にはあまり映えないトコなんです。
Commented by full_break at 2016-06-17 07:22
読まれていましたか。お恥ずかしいです。

すみません宝塚線でしたか!
これまたお恥ずかしい。
てっきり神崎川の神戸方だと思っておりました。
失礼しました。
Commented by shonencamera at 2016-06-17 10:54
あ...こっちがおもいきり間違いです、神戸線でした。駅も大当たりです。

Commented by full_break at 2016-06-17 15:38
合っていましたか。よかったです。

しかし、あずきの電車が写ってなければあの場所からの撮影とは絶対に気づいてませんでした。幻想的でクールな写真ですね!

スプリングカメラで流し撮りとか新鮮でした。何となく僕のイメージでは蛇腹や二眼はしっかり固定し、きっちり並んだ人達を「じゃあ、撮ります。はい息止めて~」みたいに感じていましたので。

実はパール3が僕の蛇腹デビュー機です。

Commented by shonencamera at 2016-06-18 03:16
何でも流して感触を確かめないと気がすまないのです。
スプリングカメラはしっかりとピント合わせて「いくよー、わらってわらってー」が一番しっくりくるイメージですよね。

>パール3
なんと、良いカメラでデビューしましたね。フォーマットが違うので比べるのも不公平ですが、パールのヘキサノンは写りで言えばイコンタより圧倒的に良いです。あとはフジカシックスも強烈に良いレンズです。写りでいえばこの2台ですね。フジカは更にスクエアなのに軽い、これはずっしり感好きな人にはマイナスですが旅行などでバッグのポケットに、という携行性では抜きん出ています。
Commented by full_break at 2016-06-18 15:17
>何でも流して

なるほど、そういえば二眼レフにもスポーツファインダーっていうのでしょうかスリットから透かして構図を決められますし二眼レフでもありなんですね。何でも流し~マネさせていただきます。
昨日早速「写ルンです」で電車の入駅一枚流して撮りました。

パール3正解でしたか。ありがとうございます。コンパクトさと操作もそれほど難しく無さそうで気に入ってるのですが、実は一本目、フィルムの送りがうまく行っておらず失敗してしまいました。35mmなら巻き戻しレバーの動きとかでわかりやすいし、巻き戻しのワザも使えますが120は一方通行で巻き上げの感覚もわからなかったのでやっちゃいました。多分スタートマークまで送らずスタートしたのだと思います。二本目はまだ撮りきっていません(すみません120はその日のうちにでしたね)
そんな失敗をしていますのでマミヤ6の赤窓併用は助かります。
またマミヤは二重写し防止だと思いますがファインダーに赤マークもありがたいです。リコフレックスで二重写しやっちゃいましたので。撮る前に巻くを心がけているのですが、いざシャッターを切る段階で「いや、やめとこ」になったとき次のショットは巻いたっけ?になっちゃいます。
Commented by shonencamera at 2016-06-19 16:29
>二眼レフにもスポーツファインダー
本来流し撮りの枠ではないのですが、二眼レフでは通常では反転しますからもし酔狂に流す場合はスポーツファインダーの方が良いですね。
二眼レフの場合は本体の体積比として他に類を見ないほど相当な量の部位をファインダーという装置にあてています。構造的に天頂にスクリーン、原始的にはそれを遮光する側があれば良いのですが、そこにアイデアをいっぱい詰め込んだのがこれまたカメラ製作者の意思をヒシヒシと感じる部位であり、こういうところが使う側をワクワクさせるのですね。
二眼レフのスポーツファインダー、まぁファインダーといっても視野枠だけの素通しの枠なんですが、これはスポーツを撮るというよりも「速写性」を考えた結果だろうと思います。
今は大事に愛でて愛でて貴重だ、ツァイス・シュナイダー良いレンズだ、だとかウンチクいっぱい言ってますが、当時めっちゃくちゃ回したのはたぶん新聞記者や要人・有名人を追うパパラッチの類だったのではないでしょうか。
半世紀ほど前のスターが飛行機のタラップから降りてくる全景などの写真では、スピグラ4x5から小型カメラまでカメラを構えた大勢の仕事カメラマンの中で、首から二眼レフを3台以上ぶらさげてる人を見ることができます。その多くがスポーツファインダーの枠を空けてます。手を伸ばしてノーファインダーで撮ってる人も多く、とにかく短時間で12枚を撮り終えたら次のボディ、また次のボディ、、という具合だったのでしょう。一般市民では当時同じボディを数台も持つような人は変人でしたでしょうから、複数ボディで武装というのは12コマという限られたショット数から生まれたひとつの完成形なのでしょう。
その速写の次へのショットまでの時間を速めたのも、スポーツファインダーなのでしょうね。もちろん絞り込んで被写界震度を深め、できるだけパンフォーカスに近くして、光が求められなければフラッシュガンを用いたでしょう。
ほんとうに稀にですが、ボロボロでエッジが擦れまくったローライを見かけることがありますが、日本人のコレクターにはゴミとしか写らないこういう固体こそ歴戦の勇士でしょうね。
Commented by shonencamera at 2016-06-19 16:39
<フィルムのスタート位置 赤窓>
ブローニーあるある の典型的な例ですね。久しぶりに使ったりすると僕もよくやります。
巻いたかどうかわからなくなって二重撮りや、1コマ無駄に巻いてしまったりとか。シャッターのチャージコッキングを忘れてシャッター押してるのに「あれ?あれ?!」とチャンスを逃すこともよくあります。
昔はとにかく神経質にフィルム平面性を最高にするために撮る直前に巻け、と教えられえてきましたがもうそんなシビアに考えなくとも良いかと思いますので、自分の撮影と自分の身体の動きの流れで自然に一番間違わない流儀というので良いでしょう。ブローニーは完全に嗜好品になりました、撮影者自身が幸せをかみ締めることができれば過去のセオリーなど守らずともかまわない時代になったと思います。呪縛ともいえますが、本質でもありますのでどこのラインを死守し貫き通すかは、使い人次第です。
Commented by full_break at 2016-06-20 00:33
>ファインダーは逆像
そうでした。静物撮るのにアレ、アレっしながら撮ってるのに絶対に流し撮りなんてムリですね(笑)

>二眼レフ3台ぶら下げのパパラッチ
当時の写真は主役だけでなく、そういうところも楽しんで見れますね。今までそんな見方をしていませんでしたがカメラマンさんにもそそられますね。
古い写真を見たくなりました。

最後の >使い人次第です。
ありがたいお言葉です~

ブローニーはまだ撮り始めたばかりですが楽しんでいます。いつかお暇なときにルーペとか観るほうの記事もお待ちしています。m(._.)m

調子にのりまして申し訳ありません。M50/1.7程度に頭の片隅においていただけたら幸いです。

Commented by shonencamera at 2016-06-20 15:35
高名な写真家の作品などは主体が当然見どころでありますが、その周りにもヒントやオモシロ箇所などが点在している場合がけっこうあります。瞳をルーペで見てディフューズに何を使ってるかを発見・想像したり、撮影者本人が写ってることもあります。ボケの中の周りの風景だとか、自分自身の変化(向上であれば良いのですが)で何万回見た写真であっても見るポイントも変わります、時代時代でいろんな発見があり、結果自己分析に通じることが多くオモシロいのですよ。

ルーペね、、これはすっかり彼方に忘れていましたが(たぶんフィルム時代の猛者達も手放したかカビさせていることでしょう) 非常に良いアイポイントを頂きました。ちょっと考えてみます。


写真とカメラが大好き少年カメラ


by shonencamera

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