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一脚について ブレ減少への模索

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望遠レンズを使って圧縮された迫力のある瞬間を狙うのは写真の醍醐味のひとつ。

今は広角も標準も望遠もズームがほぼ当たり前だけどフィルム時代中期はまだズームレンズは今ほど性能が良くなくて単玉の35mm、50mm、135mmという基本3本くらいが揃うと腕はともかくもう気持ちの嬉しさバロメーターは振り切っていた。そこに更に28mm、85mm、200mmと加えていく為にバイトに精を出すことになるのが順当なカメラ少年の道だったのだが、レンズ数が増えていくと持ち出す時のセレクトの難しさと重さ、そしてちゃんとした大きなカメラバッグが必要になること、全て手元に揃った時に気づくのである。(多すぎると持って行っても結局使わない文鎮化することが多々ある、これは今でも治癒しない)

このように昔は135mmで充分望遠で200mmとかをつけようものならファインダーの世界は「おおぉ!」というくらいにモチベーションが上がってすごく嬉しかった。しかしレンズを買ってカメラにつけただけで望遠らしい良い写真が撮れるかというと、そうそう甘くはないのも思い知るのである。その敵というのは「ブレ」だ。

焦点距離が大きくなればなるほどブレとの戦いもまたハードさを増す。
今や高倍率ズームやビギナー向けWレンズキットの望遠域ですら昔でいえば超望遠の域に達している。
それをあの手この手でHITショット確率をあげていくのも楽しい試行錯誤なのだが
今回はそのブレを減少させる手段のうちのひとつ、一脚について考えてみよう。
(手ブレ補正というのがレンズやボディにほぼ標準搭載されて非常に有効ではあるが、全てにおいて万能ではない。もともとのブレの発生を人間が極力おさえる努力をして、それに加えてテクノロジーの力を借りて更に写真レベルをあげる為の機能であるのが本筋だ)

一脚は三脚と同様にとても原始的な保持アクセサリーであり、思いつく三脚と比べてのアドバンテージは
・機動性(3本→1本なのだからシンプルに軽く収納時間も短い)
・携帯性(長さ的にはさほど差異は無いが、畳んだ時の厚みや邪魔度合いは1/3となる)
・撮影時の専有面積の減少(このメリットは強烈に大きい)
・公共エリアでの使用可(三脚禁止は案外多い、例えば駅や企業や店舗の敷地内など)

ほとんどが既存の三脚の脚一本を外してカメラ台に1/4-3/8のネジをつけた状態で製品的に完成、販売されている。当然だが自立はしないのでカメラ機材の自重と体重の乗せ具合でバランスを取って使用する。収縮段数は三脚同様に3段程度が普通であったが、今では携帯性を再優先しながら必要充分な剛性を確保した6段というコンパクト一脚も出てきた。太さ=剛性感であるので、細い細いモノから松明かこん棒かと思うようなモノまで各社多数の種類がある。

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写真上が中型三脚と同じ脚を使ったマンフロットの479B(メインパイプ経29mm)、3段で約600mm 重量は640g。
新たに購入したのが写真下のベルボンのウルトラスティックL60というもので、これが驚異的な縮長で約300mm。重量は275g。
どちらも伸ばした最大長は1500mmを超えるので充分な長さを有している。


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ベルボンの特徴はこの脚のロック方法。もともとウルトラシリーズの三脚としてスタートした新しいロックシステムの脚だけを使って一脚もラインナップしたもので、三脚同様バージョンUPする度に段数が増えて短くなっていき、とうとう6段となり最強に近いくらい短くなってしまった。

L60のメインパイプ経は公称24mm、もっと太いV60、R60という上位機種もあるが、L60を選んだのは携帯性を再重視した為。僕の主観ではこれが一眼レフで使う場合のギリギリライン。ミラーレスやコンパクトデジなどではもっと細くて軽いモノでもOKかもしれない。

一番細い脚は1cmも無い。僕はチビなのでこの一番細い1段目を出さずに他を全伸ばした時がちょうど良い高さとなり、副産物として剛性も数割UPする。評判では脚の出し入れの操作方法に拒否感が出た人は永遠に馴染むことはできないロックシステムらしいが、これの特徴と利点にアドバンテージを見出した人には最高のアイテムとなる。


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一脚+自由雲台、カタログや雑誌などでよく見る組み合わせだが、実はこれが非常に使いにくい。(もちろんこういう組み合わせで思い通りに使いこなしている人も多い、あくまでも僕の主観である)
もともと脚自体が固定されない一脚に、に全ての向きに自由な動きをするうわものを組み合わせると、雲台のノブを緩めてしまうと予測できないグニョングニョンの動きとなり、それをコントロールできない場合はどうしようもなく途方に暮れる。

20年以上前に初めて写真のマンフロットの一脚を買い、中型の自由雲台を組み合わせて撮影現場で上記のグニョングニョンに遭遇し、水平(上下)だけを微調整したいのに左右ももれなく自由に動いてしまい、何度もトライするも結局諦めその場で自由雲台を外して一脚に直接カメラを装着した。しかし直カメラでは前後左右の微調整を一脚とカメラがひとつになっているので身体全体を使わないとできないことを知ることとなり、最後にはとうとうカメラを外して一脚のストラップに手首を通して手首保持としての一脚として使った(これも案外有効であるが)。

しかしここまで人間が譲歩して一脚を使わないといけないのであれば、機動性を捨てても三脚の方が全ての面で遥かに優位であり、機動性をとるならば筋力にモノを言わせて全て手持ちで撮ったほうが良いわバカヤロー、ということで僕の場合は一脚は長い間お蔵入りの棒となってしまったのである。バカとハサミは使いようと言うが、僕の場合は使う側がバカだったのでどうしようもなかったというわけである。


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買ったはいいが思ったようなモノでは無いと判断した写真機材は、ジャンク箱に放り込まれてしばらく熟成される。このベルボンのビデオ雲台も随分前に試しに買ってその質感のチープさと剛性感の無さ、パン、ティルトの精度の貧弱さに呆れてジャンク直行便となった代物のひとつであるが、これが「そういえば・・・アレ、使えるかもな」と試してみて、一気に前線に返り咲いた。

ビデオ雲台は縦位置撮影という概念が無いのでティルトとパンしかできない。そのうちパンはあってもなくても良いが固定した方が意図しない挙動がおきない、よってネジを締め込んで不動とする(それでもジワーっと動いてしまう)。
そしてティルトは腐ってもビデオ雲台なのでグリスによるヌメーっとしたフリクションがあり、その度合を調整でき、それが一脚といっしょに使うと実に良い具合になるのを発見した。長いパン棒は取り外してしまう。

ティルトのネジも締め込んでも思い切り荷重をかけるとジワーっと動く、この節度の無さと製品としての精度欠落度合いも望遠の微調整には逆に効果的となってしまう。いちいちネジをほんの少し緩めて・締めて、の調整をするよりも、ファインダーを覗きながらグッと荷重をかけてオンタイムで調整できる方が遥かにスピーディーで使いやすい。左右のほんの少しの傾きでも、一脚のしなりと雲台本体の剛性の無さからくる微調整がこれまた覗きながら修正可能。イレギュラーな使い方とはいえ何をどう組み合わせようが使用してベストであればそれに勝るものは無い。


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ちなみにマンフロットにはこういうものもある、ものすごく単純なティルト1方向のみの雲台。
ビデオ雲台のようにグリスやオイルのフリクションが無いので調整ネジの締め込み具合で適度なトルクをかけたり固定したりするのは昔ながらで身体に染み付いている行為なので安心感がある。単機能なのと安価であること、剛性が高いこと、そしてクイックシューじゃないということが非常に良い。(調べるとクイックシューのタイプもある、2種類ラインナップしているのは流石老舗、非常に親切だ、国産も見習え)

<何故クイックシュータイプを嫌うか>
単方向雲台の場合、三脚座がある超望遠では縦横は瞬時に切り替えれるのでどっちでも問題ない。
しかしカメラの底のネジで装着する普通レンズの場合、縦位置で撮りたい時にクイックシューなら一度カメラを外してシューを90°回転させないといけない。トラッドな直ネジの場合は脱着することなくほんの少し緩めてカメラを90°回転させてすぐ締め上げれば即座に縦位置の撮影ができる。数カットくらいの縦横変換行為だと問題無い人も居るかもだが(僕は数カットでも設計アホすぎだろ!と燃え上がるが)一日に何十回もそれをしないといけない場合など考えたくもない。

どうしてもクイックシューが好きでしょうがないという場合、その改善方法は設計には全く素人の僕でも瞬時に浮かぶ。クイックシューの固定ベースの形を正方形にして4方向全てから好きな位置で脱着可能にすれば良い。(それが可能としているシューは最近ようやくビギナー向けの小型で見かけたくらいだ)

クイックシューでも抜群の精度とカッチリ感タップリの高性能品質が欲しい場合と、多少それらを犠牲にしても脱着のスピーディーさや補助機能のみに重きをおくタイプとの2パターンで考えて作ってくれないかと、使い側からはそう思う。

まぁぐだぐだ言うより、マンフロットのように同じ型で2種類出してくれれば、使う側は勝手に好きな方を選ぶのでそれが一番良いのだけどね。


さぁ文句も含めていろいろ書いたが、好きな種類の一脚と好きな組み合わせでとにかく撮ろう。
機材は思ったようにいかなくともそこから考えて工夫して自分だけの使い方が生まれる。

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一脚も三脚も普通に使うには単純で簡単で確実だが、更により良い使い方がないかと踏み込んでいくと難解なパズルのようで最終完成形には個性が見えて面白い。より良い写真を撮るためにあーだこーだとやってみよう。
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by shonencamera | 2016-02-05 16:40 | アクセサリー系 | Comments(7)


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