AF-500FTZ 現代においての使い方 PENTAX <使い倒しシリーズ>
どれも当時のフル装備ハイエンドストロボだが、デジタルにはTTL対応していないので一般人にはほぼゴミ同様の代物。
それを21世紀の今、どう使うのかというと、マニュアルで発光させまくるというロバのような使い方をする。
今使ういろんなクリップオンアダプター系はキャノン用で、そのために誤作動の元凶となるカメラ←→ストロボ間でやりとるする信号端子を殺す。実際、異種ボディとの組み合わせでのひどい場合は、オートズームがワーオンワーオン♪と勝手にいったりきたりして すわ、エクソシストか、ポルターガイストか、とアワアワしてしまう現象がおこったりする。
接点ど真ん中のトリガーとグランドの2端子が一番シンプルな必須端子。発光だけでいえばそれで足りる。
赤と柿色が追加されたTTLだのオートズームだのの制御信号のライン。黄色を施術中なのは後述するが、最初は黄色も含めて3本ごきげんさんでちょん切った。
その場合でも普通にただ発光するだけなら問題なく忠実に発光する。
しかしこの時代からはオートスリープという余計な... 便利な機能が追加されはじめた。
なので最後の発光から3分たてばこのストロボはおやすみされる。そして永久に目覚めることはなくなってしまう。
メインスイッチのON/OFF作業が必要になり、ONにした際には最初は当然TTL画面から始まることになるのだ。
黄色の線はスリープから復帰させる信号端子で(それだけじゃないかもしれないが)
シャッターを半押しすればたいていは(写真でいえば右下の端子に)ここに3V前後が加えられ(WAKE信号)
それをうけたストロボは「眠った時の設定のまま」目を覚ます、という具合だ。これが大事。
それを僕は潔く喜び勇みぶった切ってしまい、テストの際にスリープ復帰できず、、また殻を割って結線しなくちゃいけないのか...と泣き泣き回復中の図なのである。僕はそういう要らぬ作業を自ら増やすことについては、なぜだかとても長けている。
スリープをしても1回の空シャッターでWAKEするので(ちょっとじれったいが)どうしようもないゴミにはならずにすんだ。
簡単な撮影などのヘアライト、エッジライトなどのエフェクトライトなどにちょうどよい。
光量自体はたっぷりとあるのでごちゃごちゃ細かいことを言わなければメインでも使える光量をもつ。
1/1でのフル発光を繰り返すのは精神的にもストロボからしても目を覆わんばかりの残酷酷使で、1軍ストロボでは延命の為にも絶対避けたいものだ。
しかし現場での意図しない必然や、クライアントの無茶振りは年々激しさを増しているのが現状、「いや、そういうのは機材の為にもできません」とは言えない場面もあり、そういう場面にベンチからお呼びがかかる。
年老いた選手にバッテリーパックを背負わせ、フル発光の後に一瞬でフルチャージさせてまた発光させる。。
申し訳ないくらいの奴隷のような扱いだが、何年もコンデンサーに電気を送ること無く、ご主人にも忘れ去られて日陰の人生を送るよりは遥かにストロボ冥利に尽きるであろう。パッと閃光してパッと散る(散っては困るが)。
ケース的には今まさに超後期高齢社会でまだ元気なジジババを人材、労働者としてパート雇用するのと同じようなものだ。
最後の最後まで使い切ってやる、それもまた機材への思いやりでもある。
普段はたぶんバックライトなどで1/4~1/8程度をモノブロックと併用、連続で1000発くらい発光させ続けるような用途でがんばってもらおう。
それに充分耐えうるくらいの性能はこの時代のストロボでも持っている。
そんなことなら中華の数千円ストロボで良いだろうという意見もあるだろうが、この時代ってしっかり日本人が日本で作っているのだ。
ただ、時代が新しくなって今の機械にはオートで使えない、ってだけなので、品質でいえばすごくまともに作っていた頃の品である。
なので中華がすごく使えるようになったとはいえ、まだこのレベルにまでも届いてはいないだろうというのが僕の自己判断である。
キャノンで言えば540EZ、550EXなども同様に、僕には非常にありがたい年老いた働き者のロバである。
このころの小型ストロボは懐かしい「チュィィーーーーーーッン!!」というチャージ時のモスキート音がけたたましい。
だが、現場ではたいていこういう3軍ストロボはそもそもエフェクト系なので撮影者からは最も遠くに設置したりする。
その際にしっかり「私、発光しましたよ 旦那ぁ」というのが音で確認できる利点がある。
ストロボも高性能になり充電音が消えて久しいが、音があったって悪いことじゃないな、とも感じた。ケースバイケースだが。
実際に現場投入してみないと狭い自室でのテストなどではわからないことがある。
by shonencamera
| 2017-02-22 02:14
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